フランス近代音楽へのアプローチの方法とは

フランス近代音楽は、ドイツロマン派に対する独自性を確立しました。さらに、中世教会音楽の要素なども加えてより拡大された音楽表現が可能となりました。では、独自性を確立したフランス近代音楽の様式とはどのようなものでしょうか。

【作曲された時代について】ロマン主義音楽は、複雑な響きを求めるようになっていき、19世紀の終わり頃にはピークを迎えてしまいます。ドイツでは、音楽と文学をはじめとする諸芸術の統合を目指した音楽劇の創始者であるワーグナーが、とても徹密なハーモ二―感覚の音楽を生み出しました。その音楽の影響はヨーロッパ全体におよぶこととなります。西欧文化の中心地として栄えたパリでは、ワーグナーの影響を吸収しながらも、フランス文化を受け継いだ繊細な響きの音楽であるカトリック教会音楽が生まれていました。

【様式について】「グレゴリオ聖歌」をはじめとする教会音楽の影響が、フランスではしばしば見られます。「グレゴリオ聖歌」は「旋律のみ」で構成されており、ハーモニーを伴っていません。古代から培われてきた独特な音階が用いられているのです。古風でありつつも、長調や短調の枠組みを離れた『より自由な響き』は、ドビュッシーなどの作曲家によって最大限に活用されていきました。また、万国博覧会で紹介された「西ヨーロッパ文化圏以外の音楽」がフランス近代芸術に与えた影響も見逃がすことはできません。文化圏以外の音楽とは、ジャワ島のガムラン音楽、新大陸アメリ力から渡ってきたジャズなどをはじめとする音楽とされています。

【フランス近代音楽を歌う上で大切なこと】私たちは現代の視点からあらゆる作品に取り組むことを当然としていますが、音楽史上の時間を横軸として捉え、その時代の他分野の芸術や歴史上の出来事などを縦軸とし、広く作品を見渡していきたいものです。